まるで、熟した林檎のような恋でした。





勢いよくボールがこちらに飛んでくる。

しっかり受け止める。


早速ディフェンスに阻まれた。なかなか手ごわく、切り抜けられない。



「幸っ!」


碧の声だ。



声のした方向に、目配せする必要はない。


どこにいるか、明確に汲み取れる。



俺と碧のコンビネーション、なめんなよ?



1対1のボールの取り合い。ドリブルでガードをかわし、フェイントを1つ入れる。



「碧!」



相手の隙を見逃さない。


すぐさま、味方を見ずにパスを出した。



パシッ、といい音が響いた。

パスがうまく通ったのだ。



3ポイントラインのやや外側。

ボールを受け取った碧は、敵を避けるように、軽く真上に跳ねた。


ゴールから遠いその場から、両手で、放つ。



緩い回転のかかったボールは、ゴールに吸い込まれていく。