目の前を、見据える。
再び、りんごちゃんと視線が絡まった。
「……あれ?」
白い顔は、熟れて熟れて、林檎色にはもう例えられないくらい熟れすぎて。
甘い香りは、やけに濃く、甘ったるい。
見た目は、昨日までと変わらない。
そう、感じるのに。
違和感が、消えてくれない。
「どうした?」
「い、いえ、なんでもないっす」
気のせい、だよな?
一抹の不安を過らせながら、試合開始時刻となった。
敵味方を区別する、ユニフォームに着替えた選手たちが、コートの真ん中に整列する。
「只今より、練習試合を始めます」
審判の声が、体育館に反響した。



