結構声出しちゃったし、絶対部長の耳にも入るってわかってた。
だけど、これは、ライバルへの宣誓でもあるから。
「イモウトをたぶらかすな」
「た、たぶらかしてはいません!」
「言い訳はいい。ほら、こっち来い。もうすぐ試合始まる。碧も行くぞ」
「はいはーい」
黒いオーラでムンムンの部長が、片腕を俺の首に回した。
無理やり、りんごちゃんのいるギャラリーのそばから引き離される。
後ろ向きに引きずられてるせいで、首が締まる。
く、苦しいっす、部長!!
「が、頑張ってください!!」
え?
震えながらも、純真な、精一杯の応援。
りんごちゃんから、誰かへの、鮮明な想い。
誰に言ったんだ?
俺?部長?
……いいや。どうせ考えたってわからない。
俺への応援だと、勝手に思っておこう。そっちのほうがモチベーションが上がる。



