まるで、熟した林檎のような恋でした。






「あの人、さ」


各々ストレッチを続けながら、ポツリ、呟く。



「愛が、重いじゃん?」


「あー、うん、否定はしねぇ」



りんごちゃんが臨時マネージャーになった日を境に、部内じゃ、部長のシスコンは有名になったくらいだしな。



「重すぎて、中学の頃に好きな子をストーカーしたことがあんだよ」


「へぇー………えっ!?す、ストーカー!?」



思わず叫んでしまい、遅いとわかっていながら口を片手で塞いだ。



だって、想像できない。


あの真面目な部長が、ストーカー?

嘘だろ。



信じられない。が、碧の憎々しげな横顔を目の当たりしたら、本当なのだと思わざるを得ない。



「しかも、ストーカーしてた相手が、俺の好きだった子でさ」



中学の頃ってことは……前に、シュート練習をめちゃくちゃ頑張って振り向かせようとしてた好きな子のことだろうか。


おそらく、今の彼女さんである、瑛美さんのことなんだろうな。




「結局、俺、その時なんもできなかったんだ。だからかもしんねぇ。あの人が怖くて、苦手なのは」