「何すか?今、ストレッチ中なんすけど」


「俺には相変わらず、辛辣【シンラツ】な態度だな」


「いや、これは辛辣というより、反抗期のガキみたいな……いたたたた!!」



正しく訂正しようとしただけだろ!なのになんで体重かけてくるんだよ!八つ当たりか、コノヤロー!


張本人はとぼけたように口笛吹いてるし。ふざけんな。




「お前が俺にだと態度が悪くなる理由は、わかってる」


「…………」


「別に普段はそのままでもいい。だけど、部活中……いやせめてプレー中はそんな感じだと、皆が困る」


「…………」


「そろそろ俺相手でもミスしないよう、気をつけてくれ」




部長と碧は、睨み合ってるように、互いに互いの眼光をぶつけ合う。


長い長い沈黙を破り捨てたのは、碧だった。




「……うっす」



最後の最後に絞り出した、応答。


ぶっきらぼうで、嫌々だけど、ちゃんと承諾した。



それが、碧の答えだ。