手を離し、体重をかけるのをストップする。
今更謝っても、碧はきつく睨んできた。
「ため息つきてぇのはこっちだわ、アホ」
「す、すまないと思っている」
「そんな堅苦しく謝ったって、幸にも同じことすっからな」
げっ、まじか。
片方の口角だけ持ち上げてる碧は、非常に意地が悪そう。
……これは冗談じゃねぇな。
相当痛くしちまったんだろうな。まじでごめん。
ストレッチする側と手助けする側を交代する。今度は俺が、倒される側だ。
床に座って、ピンと前に足を伸ばす。
碧が徐々に体重をかけていき、合わせて上半身を倒していく。
どのタイミングで痛くされんだろう。怖い。
「碧」
背後から、部長が駆け寄ってくる。
横目に見ようとしたら、グッと強く背中を押された。
急だな、おい!?
その拍子に、「うげぇっ」とカエルみたいな変な声が出て、部長にクスッと含み笑いされた。くっそー。