まるで、熟した林檎のような恋でした。





繕った笑顔に気がついたのは、私だけ。


芹沢先輩は満面の笑みで、頷いた。



「自慢の彼女だ!」



ギシリ。

ほら、やっぱり、軋んだ。



痛い。

痛い、から。


えぐるのは、もうやめて。




どうしてこの世には、報われない恋があるの?


全部叶えてくれればいいのに、どうしてうまくいかないの?



甘いだけならよかった。

楽しいだけならよかった。


本気になってしまう前に、教えてほしかった。



恋の苦しさなんか、知りたくもなかった。





「このまま諦めたくないな……」



空っぽになったお皿に吐き捨てた、麻莉ちゃんの本音に、私まで泣きそうになった。