「お2人は、これから食事ですか?」
「そうなんだけど、席が空いてなくて……」
私の問いかけに、更科先輩は眉尻を垂らした。
「だったら、隣空いてるので、よければどうぞ」
すかさず、麻莉ちゃんが隣の椅子を示す。
私の隣も空いてるから、ちょうど2人、向かい合う形で座れるのだ。
「幸、どうする?」
「他に席ないし、お言葉に甘えて、座らせてもらおうぜ」
「そうだな」
お邪魔します。
と、更科先輩が私の隣に、芹沢先輩が麻莉ちゃんの隣に腰掛けた。
わっ。ち、近い……!
帰り道の時は、もっと近かったっけ。
更科先輩側の肩や手が、妙に力んでしまう。心なしか、心臓も慌ただしい。
真正面を一見する。
麻莉ちゃんも、好きな人との昼食に少なからず動揺しているだろうに、態度にはあんまり表れていなかった。
すごいな、麻莉ちゃん。
「いただきます」
「いっただっきまーす!」
更科先輩は、すき焼き定食。
芹沢先輩は、かつ丼、大盛り。
2人とも、ガツガツ食べる。まさしく“男子”という感じ。
たまに美味しそうにほころぶ姿に、キュンとする。



