まるで、熟した林檎のような恋でした。





応援したい。

私に何ができるかわからないけど、全力で。



恋が実って、幸せになってほしい。


苦味で溢れた、私の恋の分まで。





「あっ、りんごちゃん!」



不意に名前を呼ばれ、胸が高鳴る。


この声は……。



「こんにちは」

「こ、こんにちは、更科先輩」



どうしよう。

声が、震える。


さっき下校風景を思い出したせい?



今日も無造作に黒髪を整えてる更科先輩を、なぜかずっと直視できなくて。

黙々とハヤシライスを食べ進めた。




「『りんごちゃん』?ふーん、いつの間に名前呼びに進展しちゃってんの?」


「べ、別にいいだろ、いつだって」


「これはまた吐いてもらわねぇとだな」



芹沢先輩が、片手でお皿を乗せたトレーを支え、空いてるほうの肘を更科先輩の肩に置いた。


すぐに肘はどかされたが、探るような笑みは保ったまま。



更科先輩と芹沢先輩は、今日も2人でランチのようだ。




「こっ、こんにちは、芹沢先輩!……と更科先輩」


「こんちは、土浦ちゃん」


「こんにちは」


「なんか悩んでるっぽかったけど、大丈夫ー?」


「だ、大丈夫、です!」



麻莉ちゃんは、なんとかポーカーフェイスを続けてる。……けど、喋り方はぎこちない。


そこがまた可愛いんだけど、本当に大丈夫かな?