言葉だけじゃない。
危ないところを助けてもらった。抱きしめて、守ってくれた。
あれは、ずるいよ。
まるで昨日のことのように思い出し、心臓を鷲掴みにされる。
あんなこと言われて、されて。
意識するなってほうが無理だよ……!
おかしいな。私にはちゃんと好きな人がいるのに、どうして更科先輩のことが頭にこびりついて離れないんだろう。
「ちょっと、聞いてる!?」
「っ!き、聞いてる聞いてる!」
ごめんなさい。
ちょっとトリップしかけてました。
「ほんとかなぁ?……あ、もしかして、今『更科先輩』って言ったから、思い出しちゃった?」
ハヤシライスを食べようとしたスプーンを、ピタリ、止める。
「ま、麻莉ちゃん!」
「あはは、やっぱり図星か」
唇を尖らせても、麻莉ちゃんはニヤリと口元を緩めるだけ。
「まっ、嫌でも思い出しちゃうよね。あんなイケメンに、ストレートに想いを伝えられたらさ」
……嫌、ではないけど。
うん、思い出しちゃう。
だって、告白されたの、初めてなんだもん。



