見かねて聞いてみれば、
「へ?」
間の抜けた声が返ってきて、驚いた。
チークでほんのりピンク色にしていたほっぺに、赤色が点【サ】す。
赤くなるのは、大抵私のほうなのに。
美人さんで、綺麗で、かっこいい。
いつもはそんなワードが浮かぶけれど、今日は「可愛い」が一番似合っている。
「あー、えっと……」
じぃっと見つめ合う、5秒間。
先に逸らしたのは、麻莉ちゃん。
唇の隙間からため息を吐き、呟いた。
「芹沢先輩を、探してたの」
え?
芹沢先輩?
麻莉ちゃんは人差し指に毛先を絡めて、照れ隠しをしていた。
「な、なんで……?」
「なんでって……き、気になるから」