まるで、熟した林檎のような恋でした。






何とも言えない静寂が、流れる。


車道側を歩きながら、チラチラとりんごちゃんを盗み見る。




「そ、そういえばさ、りんごちゃんと部長って仲いいよな」


「そ、そうですか?」


「昔から仲良かったの?」



下手な話の振り方だな。

自分で思うんだから、りんごちゃんはもっと怪しく感じただろうな。




「世くんとは、私が小学4年生の頃に、親の再婚で兄妹になったんです」




なんてことないように、平然と語る。


だから、なおさら、自分の無神経さに腹が立った。



知らなかった。

2人が、義理の兄妹だったなんて。


部長の言う「イモウト」は、「妹」じゃなく「義妹」という意味だったんだ。



「最初は不安だったんですけど、世くんは昔から優しくて。仲良しかは自分じゃわからないですけど、家族として愛されてるのは、わかります」



幸せなエピソードだ。


そのはずなのに、どうして。



切なそうに微笑むのだろう。