まるで、熟した林檎のような恋でした。





俺にとっては、願ったり叶ったりだけど。


重度のシスコンである部長が、なんで?



「ちょっと世くん!?私、1人で帰れるよ!」


「いや、ダメだ。1人でなんて危険すぎる。いいか、りんご。夜道はお前が思ってる以上に危ないんだ」



……あぁ、そうか、シスコンだから頼むのか。



「本当は俺と帰るのが一番いいんだが、まだやらなければいけないことが残ってるからな。苦渋の決断で、幸に頼むことにするよ」



本当にすごく辛そうだな。

腹にナイフが突き刺さったみたいな形相をしてる。



でも、ラッキーだ。ラッキーすぎる。


まさかこんなに早く、一緒に下校できる機会が訪れるなんて。


俺はついてる!




「幸、任せたぞ」


「は、はい!」


「絶対、絶対、ぜーったい、りんごを危険な目に遭わせるなよ?」


「……はいっ」



わあ、目がマジだ。


これは下手なことできないな。いや、はなっからする気もないし、そもそもできないんだけどさ。