まるで、熟した林檎のような恋でした。





追いついて、隣に並ぶ。



「部長のシスコンっぷり、すごいな」



あれは強敵だ。

勝てるだろうか。



「……あの人はただ、愛が重ぇだけだよ」


「愛が、重い?」



確かに重そうだけど……。



視界の隅に入った碧の表情は、部長が苦手だと言わんばかりに歪んでいた。






あっという間に部活終了時間になった。


結局、チャンスはあっても挽回はできず、ここぞという時に限って失敗ばかり。



俺ってこんなに本番に弱いタイプだったっけ?




「じゃっ、俺、瑛美と帰る約束してっから!」


「おう、またな」



更衣室で素早く着替えた碧は、部活で疲れてるはずなのに超元気。


愛しの彼女に会えるからなんだろうな。



さっさと更衣室を出て行った碧は、彼女の高校の近くで待ち合わせをして、一緒に帰るらしい。その時、デートに誘うんだとか。




「俺も小佐田とデートしてぇな」


デートできる日は、果たして来るのだろうか。