まるで、熟した林檎のような恋でした。





練習でかいた汗とは違う汗が、こめかみを伝う。あぁ、これは冷や汗というやつだ。


タオルで汗を拭って、カラカラな喉をドリンクで潤す。



あれ?おかしいな。

汗も止まらないし、喉の渇きも変わらない。



「イモウトにデレデレしてんじゃねぇよ」



小佐田の頭にポンと手を置き、部長はにっこり笑顔で告げた。


……部長、笑顔が黒いっす。



小佐田はその黒さに気づいてるのか、気づいていないのか、肩をすくめて俯いた。



――ドクン。


なぜか、胸がざわめいた。



何だろう。

今、何か、既視感が……。


気のせいか?




「もらうもんもらったんなら、さっさと行け」


「はいはい」



しっしっと追い払われ、さっきまでのハイテンションはどこへやら、不機嫌な様子で碧はこの場を離れていく。


俺はもう一度小佐田に礼を言ってから、碧を追った。