まるで、熟した林檎のような恋でした。





一瞬目を合わせ、俺は天井に、小佐田は床に視線を転がせる。


ドリンクはなんとか掴んでるが、タオルはひらひらと足元に落ちてしまった。



「2人とも可愛いねぇ」


「み、碧っ」


「はいよ」


「……さ、サンキュ」



碧はタオルを拾って、もっと冷やかしたそうに笑った。



「小佐田が可愛いのは事実だけど、それを碧に言われるのは、なんか癪【シャク】だ」


「っていう幸の心の声、どう思う?」



どぎまぎして返答に困ってる小佐田を前に、ハッとする。


昨日に引き続き、俺はやっちまったらしい。



「あははっ。やっぱかーわいいな、お2人さん」



眼を三日月型にしてる碧は、褒めてるのかからかってるのか、わからない。




ただ1つわかるのは、



「おい」



小佐田の背後で、黒いオーラを纏ってる部長が、みぃちゃんより恐ろしく感じるということだけ。