まるで、熟した林檎のような恋でした。






「お、小佐田」

「小佐田ちゃん」


忙しなく動く心臓を抑えながら、声をかける。



小佐田は俺を見ると、一瞬目を揺らがせた。


きっと、俺の表情に「好きだ」と書いてあるからだろう。



「あっ、ドリンクですか?」


「タオルももらえるか?」


「は、はい!」



小佐田も緊張してるのが伝わってくる。


それが嬉しくて、ニヤけそうになる。




「はい、どうぞっ」

「ありがと」


タオルとドリンクを、まずは碧に手渡した。



「さ、更科先輩も、どうぞ」



俺も緊張してきて、動きが鈍ってしまう。



「あ、ありがとう」



やべ。一音、裏返った。

耳の後ろが、火傷したみたいに熱い。



差し出されたタオルとドリンクに、手を伸ばす。


その時――ちょん、と指先が触れた。



「っ!」

「!!!」



お互いに意識しすぎて……いや、あっちも意識してるのは、俺にとっては好都合なのだけれど。


反射的に、俺も小佐田も手を引っ込めた。