まるで、熟した林檎のような恋でした。





ついに俺にまで熱が侵食してきた。


おそらく、俺も赤面してる。


でも、仕方ないだろ?

好きな子に「好き」って告げてるんだから。


赤くなるに決まってる。




「あ、えっと、あの……」


「待って。返事は、まだいらない」


「……え?」



喉の奥が、締め付けられる。


全身の熱が顔に集まって、眼が潤んだ。



「俺の気持ちを知ってもらいたかっただけなんだ。あわよくば俺のこと意識してくれたら、って」



小佐田の頬の色が、赤をよりいっそう塗り重ねた、深紅へと変わっていく。


あぁ、多分、最後の一言は言わなくてもいいことだった。超恥ずかしい。言っちゃったあとじゃ、取り消せない。




「あー……だから、その……好きな人のことだけじゃなくて、俺のことも少しは考えてくれたら、嬉しい、です」



我ながら、ダサい締め方だ。


補うように、できるだけ優しく微笑む。しかし、自然体を装うのは無理で、不格好なものになってしまった。




数秒置いて、小佐田はコクン、と1回頷いてくれた。







“終わり”じゃない。

きっと、これが“始まり”。