学校に行く者
仕事に行く者


そこは人間界とは違う…らしい。


実際、あたしは人間界の事をよく知らないし、興味すらない。



けど、明後日行われるイベントは別物



毎年下界の者の殆どが人間界に行くというイベント。


イベントというよりも
先祖たちの恨みを果たすためのもの。



人間たちを脅かして誰が1番多く人間の悲鳴を手に入れることが出来るか。



最初の頃に比べたらまだマシになった方



最初の頃は、さすがのあたしでも内容が言えないくらい酷かった


「はぁ…」


明後日の事を思い出すと自然に出る溜息


別に嫌ではない
寧ろ楽しみ


人間の悲鳴が聞けるとなると凄いわくわくする


毎日でも聞きたいくらい悲鳴が好きなくらいだもん


問題は、


「ヒカゲ、見っけ♪」


「うっ…」


「あからさま嫌そうな顔しないで?俺傷ついちゃう。」


「…寧ろ喜んでるよね?まず、抱きつかないでくれるかな、メイ。」


あたしを見つけるなり、抱きつくメイ。


殆どの原因がこいつ。



「えー、ヤダ。」


さらにきつく抱きしめる力を入れる


そんなメイはヴァンパイア。


あたしのクラスメイト…というよりペア



この学園は入学した時から男女1名ずつがペアになる仕組み


だから、今回のイベントも学校でペアごとになって競い合う。