あの子も確か開き直ってた筈。


これって偶然なのか?


『ありがとヒナタくん。落ち着いたよ』


「ヒナタ、もう頭撫でなくても結構。」


「…あぁ。」


俺はヒナタの頭から手を離す


今の言葉からしてヒカゲは違うな。


あの子は素直だったし。
こいつは気高いな。


俺は気持ちを入れ替える為に深呼吸を一回した


「ヒカゲ、ここに住むなら俺の家の掟は守ってもらうからな。」


「なになに?」


「お前が飯食う時は人前で食うな。
基本押し入れで過ごせ
シンと俺以外の人と接するな、話すな
外に出る時は俺に一言言ってからにしろ
学校についてくるな
留守番する時は絶対に部屋から出るな
それから、」


「多くない?」


「住むのやめるか?」


「聞きます。続きどうぞ。」


「それから、その我儘で捻くれた性格を治せ」


これが1番治してほしいところだな。


ヒカゲはというと、唖然してる


「…む、無理。それだけは譲れない。他は守れるようにするけどそれは駄目。」


「は?却下」


「性格はもともとなんだから、治せませーん。バーカ」


「………」


俺は無言でヒカゲを担ぎベランダに出した


「え?ちょ、ちょっと!」


ガララ


俺は戸を閉め鍵を閉めた


「寒いから!寒いってば!」


いくらまだ真っ暗で冬ですらないけど、
10月の18時の夕方は流石に寒い