「うん。例えば…、あ。」


いきなり顔を青くさせたヒカゲ。


「あたし、掟破っちゃった…」


今にも泣き出しそうな顔でこちらを見ていた



「……っ。」


『あたし、おきてやぶっちゃった…。』


昔いた女の子と同じような言葉をヒカゲがした。


そのヒカゲの言葉を聞いて心の奥に閉じ込めた記憶が前に出てきた


「どうしよう、ヒナタ。」


『どうしよう、ヒナタくん。』


全くの同じ言葉で同じ表情で


あの日からあの子に会わないと決めてた心が揺らぐ


会いたい


「ダメだ。」


会うとあの子に…


「ヒナタ?何がダメなの?」


「え、いや。お前には関係の無い話」


「ふーん。って、どうしよう。」


慌てるヒカゲの頭を撫でて落ち着かせる


「…ふー、まあ、いっか。」


頭を撫でてやるとさっきとは正反対に落ち着いて開き直ってる。