いちばん。

急いで沙桜の家まで向かってインターンホンを鳴らすと、



「鍵開いてるよ!」



そんな言葉が返ってきた。



ってか無用心すぎ…。
鍵をしめるのはいつも俺の仕事。



部屋のドアを開けると、ソファに寝転んだままの沙桜が



「おかえり」



って笑う。
俺の好きな笑顔。
綿菓子みたいにふんわりした、無防備な笑顔を俺にくれるんだ。



「ただいま」



思わずドキッとしてしまったことを悟られないように、



「おみやげ」



買ってきたアイスを差し出す。



「えっ?わーい」



そう言って俺に抱きついてくる沙桜。ふわっと香る沙桜のシャンプーの匂い。



嬉しい、嬉しいんだけど、
マジ、やめろって!
そんなことばっかしてると本当ちゅーするよ?



「はいはい、溶けるから早く冷蔵庫しまってきて?」



ぷくっとほっぺたを膨らませた沙桜がこっちを見る。
ねぇ…マジ誘ってんの?
ってたまに思う。



「……ぶさいく。」



そんな風に思ったことなんて一度もないけど。
ばかな俺はそうやってからかうことしか出来ないんだ。