「…真面目に、考えて。」 「……わかってます。」 ゆらゆらゆらり。 あの人と先輩の間で揺らぐ。 …―――このまま、先輩に。だなんて。 ダメなんだ、代わりなんて。 先輩は先輩で、あの人の代わりなんて無理なんだよ。 だからこそ、先輩の気持ちには応えられない。 私より10㎝くらい高い身長。焼けた肌。筋肉のついた手足。地毛だという茶髪。 誰が誰の代わりとか、絶対にできない。