「そろそろ振り向かない?」 「んー…んん?」 ほぼ毎日 恒例となってしまった、正木 雅 先輩からの告白には、いつまで経っても慣れない。 にこにこにこにこ、掴み所がなくて。 本気か冗談かも分からない言葉を、9月の終わりごろから しょっちゅう聞かされている。 嬉しくないわけじゃない。 ただ、信じれなくて。信じたくなくて。 “なんで私なの” 毎回 思ってしまう。