上履きを脱ぎ、靴に履き替えようとした時だった 「結菜…遅刻!!いつまで彼氏を待たせるんだよ」 少し不機嫌そうな平川が近付いて来た。 「はぁぁ~」 大きなため息をひとつ。 「んな、あからさまに、ため息つかなくてもいいだろ」 「はぁぁ~」 とまた、ため息をひとつ。 「ほら、帰るぞ」 そう言って平川は、私の手を握って歩き出した。