受け取らなくても、それが指示の書かれた白い紙だと分かる。 「どこにあったの?」 「あそこに落ちてた」 赤野は床の中央を指差す。 私は白い紙を受け取り、当たり前の様に書かれた、失敗すれば死に繋がる文字に目を走らせる。 【ここには背教者が居る】 小さな文字で、それだけが書いてあった。 私は首を回し、改めて壁の絵画を見つめる。 「つまり、どうしろって事なの?」 何度文字を読み返しても、謎を解く閃きが生まれないので、私はクッキーと同じポケットに四つ折にした白い紙をしまった。