父親の運ばれた病院から出てすぐ、私は春雪に電話をかけようと思った。
でも手が震えてなかなかボタンが押せない。
やっとの思いで押したのは、なぜかコータの番号だった。
トゥルルルル、トゥルルルル。
機械の規則的な音がした。
4回、5回と鳴るけれどなかなかコータは出なかった。
私が諦めかけたとき、その音がぶつっと切れた。
「もしもし?いろは??」
コータの少し高めの声がした。
驚いて声が裏返っているのかもしれない。
私は返事ができずに、ただしゃくりあげる声だけが電話口で響いた。
それを聞いたコータの声色が変わった。
「どうしたんだよ、いろは。何かあったのか」
声が出ない。
「今、どこだ。俺、迎えに行くから!!」
その真剣な声にさらに涙がこぼれた。
ヒック、ヒック。
今ね、病院の帰りなの。
おとーさんがね、倒れてちょっと一人暮らしすることになって。
私がそういうと、コータは、
「親父さんが倒れて一人暮らしするのか??なんで病人が一人暮らしを??」
そう聞き返されて、自分の日本語が支離滅裂だと気づいた。
ううん、そうじゃなくて。
言い直すのも億劫なほど、私は疲れきっていた。
でも手が震えてなかなかボタンが押せない。
やっとの思いで押したのは、なぜかコータの番号だった。
トゥルルルル、トゥルルルル。
機械の規則的な音がした。
4回、5回と鳴るけれどなかなかコータは出なかった。
私が諦めかけたとき、その音がぶつっと切れた。
「もしもし?いろは??」
コータの少し高めの声がした。
驚いて声が裏返っているのかもしれない。
私は返事ができずに、ただしゃくりあげる声だけが電話口で響いた。
それを聞いたコータの声色が変わった。
「どうしたんだよ、いろは。何かあったのか」
声が出ない。
「今、どこだ。俺、迎えに行くから!!」
その真剣な声にさらに涙がこぼれた。
ヒック、ヒック。
今ね、病院の帰りなの。
おとーさんがね、倒れてちょっと一人暮らしすることになって。
私がそういうと、コータは、
「親父さんが倒れて一人暮らしするのか??なんで病人が一人暮らしを??」
そう聞き返されて、自分の日本語が支離滅裂だと気づいた。
ううん、そうじゃなくて。
言い直すのも億劫なほど、私は疲れきっていた。

