お母さんは事故死だった。 教師の仕事をしていた。 お父さんはお母さんが亡くなってからもぬけの殻になった。 口数が減った。 私を見なくなった。 最愛の人を亡くした彼はそうなってしまった。 だから元気になって欲しくて お母さんがいないのは、勿論悲しいけど 私はお父さんに言った。 『私、お母さんみたいな先生になる』 光の無いお父さんの目から涙が流れた。 父親の涙を初めて見た気がした。 お父さんそれから変わった。