楓side 父が放つ言葉を理解するのには時間がかかる。 毎回のことだ。 しかし今回は理解ができない。 いや、違う。理解したくない。 「おい、楓聞いてんのか?」 『...いやちょっと待って』 ちょっと整理しよう。 今何て言われたっけ。 いや、なにも言われていない。 そう思おう。 あっそうだ!とか、いいこと思いついた!とかその後に出てくる要件はいつも理解不能。