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老いたる源氏は暗闇の中で目を覚ましました。目が見えます。
光りさす小穴から下を覗くと、3人の男が話しをしています。

「ちっ、薫か。南無法華経?確かに夕霧の前で臨終のときにそう言ったが。
そう悟りきれずに冥府をさまよっているのが現実なのに」