君の味に落とされて。





席を探してきょろきょろしていると、「朝比奈さーん!佐倉さーん!」とどこからかあたしたちを呼ぶ声が聞こえた。


「あ、中里さん?」


中里さんは前から二列目の席から、あたしたちに手を振っていた。

「二人とも、席ないならここに座らない?友達と来たんだけど、模擬店大変らしくて戻っちゃったんだ」


「ほ、ほんと?ありがとう中里さん!」


「ナイス中里!」


中里さんの隣2つが空いていて、そこに座ることができた。


しかもこんなに前なんて、ラッキーだ。


「佐倉さんて、玲於先輩と付き合ってるんだっけ?」


「へっ!?」


中里さんの隣に座ったと同時にそんなことを言われて、椅子から落ちそうになってしまった。


「そ、そんなに驚かれるとは…。なんか噂で聞いたからさ、どうなのかなーと思って」


「付き合ってないよ…、うーん…、友達…みたいな?」


自分で言ってて不思議になる。


玲於先輩って、友達…なの?


「あ!し、知り合い!」


ふと、知り合いという単語が浮かんで、咄嗟に口にする。


先輩と友達だなんて、ちょっと厚かましいよね!?


だって学園の王子だし…。