君の味に落とされて。





「ちょっと話しかけちゃおーっと」


唯は玲於先輩たちが注文したケーキを運ぶのを利用して二人に話しかけ始めた。


あたしはレジに残って聞こえてくる会話を盗み聞き。


「ケーキお持ちしました~。先輩たち、劇やるんですよね?なにやるんですか?」


「ありがと!まぁ定番だけど白雪姫やるよ。ちなみにコイツが王子様」


良介先輩が玲於先輩を指差して言っている。


王子様役なんだ…似合いすぎる。


でもそしたら、白雪姫役の人とキスシーン…とかあるよね。

なんかイヤかも。


「人を指差すなっての」


ちょっと怒った風にしながら、玲於先輩が
シフォンケーキを口に運ぶ。


食べたとき、あの日みたいな笑顔ではないけど、口元が緩んだのをあたしは見逃さなかった。


やっぱり隠してるのかなぁ、甘いもの好きなの。

さっき教室に入ってきたときも良介先輩になんだかんだ言ってたしなぁ。

なんか可愛い。


…って、これじゃあたしストーカーみたいじゃない?


うわぁぁ…と思って、視線を外すも、なぜか先輩の幸せそうな顔が見たくて惹き付けられてしまう。