話を戻すとじゃな。



人間一つの人格だけじゃ生きてかれん。

みぃんな色んな顔を知らず知らずのうちに使いわけとるんじゃ。



それを自分の好きじゃない自分じゃからって嫌いになって自分じゃないなんて言うのはあまりに無責任じゃ。





色んな顔でいるのがいやなら強くなれ。





無理なら認めてやれ。





その人格だって結局は自分じゃ。

自身から生まれた仮面じゃ。

愛してやらにゃかわいそうじゃろう。





お前さんがかわいそうなんじゃないわい。

その仮面がじゃ!












一人だけ被害者面しとってもカビるだけじゃて。


そーゆぅ気分に浸りたい時もあろうが早めに出るに越した事ぁない。









自分の事ばっか甘やかして、痛い目見るんは自分じゃからな。



仮面じゃ仮面じゃ言うとると、自分っちゅーもんがぐらぐらしてそのうち倒れっちまうぞ。













"肉付きの面"て知っとるか?

越前国吉崎寺の霊験譚での。


意地悪な婆さまが鬼女の面を被って嫁をおどすとな、その面が肉に食いついて顔から離れなくなったっちゅー話じゃ。




面が肉付きなんはなんでかわかるじゃろう?


フェッフェッフェ