『…動き出したか…。』


急にセドリックが呟いた。



「どうしたんですか?セドリックさん」


魔術の修行の最中だった羅絶が
汗を拭きながら訪ねた。



『…羅絶には話してなかったな…』

「?」



『動き出したんだ。運命を司る神が…』


険しい顔でそう言ったセドリックさんは
少し余裕のない感じだった。



「運命を司る神?」






《ハァーイ?リックーおひさぁー!》



『っ!』


「なんだ?!これっ頭に直接っ」



《んふふっ1000年ぶりかなぁー?》



『ディスティニー…姿を見せろ。』


そう言うと周りが暗くなって、一つの
光の玉が現れた。



《もぉーリックったら怖いーキャハハ 》




光の玉が崩れたと思えばそこから
孵化した蝶のように一人の少女が現れた。




『HELLO!私はぁ特に名前なんて無いんだけどぉ人間からはディスティニーって
呼ばれてるのぉー。』



少女、ディスティニーは羅絶の手を握り、

『ディスティニーでもぉディティとでも
お好きに呼んでねぇ?キャハっ』






この時から運命は動き出し、

世界は1000年の節を迎える。