「あー美味しかったッ!」



セドリックさんの用意してくれたお昼
ご飯を食べ終え
セドリックさんと話しているアストラスを見た。




そういえば…アスって…。

人間なのかな?


ふとした疑問がキリカの頭をよぎった。


アスの容姿は、鉄のようなもので出来た
鳥?のような仮面を被っていて、
はたから見たら凄い怪しいかっこうだ。

でも…初めてあった時から不思議と
気にならなかった。
しかもおっさんって言ってたけど…。
口元だけ見たら結構若く見える…。



じっ…とアスを見ていたら視線に
気づいたのか、こちらを見てニコッと
笑った。
びっくりして私は目をそらしてしまった。







「なーお前さー…。」

キラが私の隣にちょこんとすわり
話しかけてきた。


「…?」

「なんでアストラスの近くにいんの?
お前が「イブの器」だから?」


意外な難しい質問に対してどう答えていいのか迷ってしまう…。


「えっと…アスは私が「イブの器」だから
近くにいるのかもしれないけど…。私は…」


「…?」



あれっ?私何で…アスと一緒に居るんだろ
最初は嫌なはずだった。
なのに今はそんなに嫌とか思わない…

きっと…アスは…私にとって初めて
「私のことを気にかけてくれた」人
だったから…?


「どーしたんだ?キリカ?」


「あっごめん…何か…よくわかんないや…」



「ふーん…。」



キラはつまんなそうに流してくれた。
こんなこと人に言うのは少し恥ずかしい


アスは私が「イブの器」じゃなければ
こんな優しくないかもしれない。

でも…どんな理由でも私を気にかけてくれた
唯一の存在が私は嬉しかった




『キリカ…そろそろ行こうか。』


「はっ、はい」



ガタッと、席を立ちアスの方へ行った。



「えーもーかえるのー?」


残念そうにキラが言った。


「また遊びに来るよ」

ニコッと笑顔で言うとキラは
「ほんとか?!やったー!」と喜んで
くれた。







『キリカ…行くよ』



「はい!みんな今日はありがとうございました…!」

おじぎをして建物から出ていく私達に
みんなで手を振って見送った。



『キリカ、今日はこうして帰ろう。』


いきなりアスの大きな手が私の手を取った
アスって…こんなこともするんだ…。

と驚きながらも少し嬉しかった。


「…うん。」




その日は2人で手を繋いで帰った。