「――それじゃあ霰、学校いってくるね!」


「……あ、ちょっと待て」


新学期、靴を履いて玄関を出ようとしたら霰に止められた。振り返ると、そこには私にお弁当を差し出している霰がいた。


「……忘れ物。それじゃ、いってらっしゃい」


そして私にキスをしてニコリと笑った。


「……ん。行ってきます!」


そう言って私は学校に向かった。学校に着くと、奏が校門の近くに立っていた。


「あっ、雫おはよー! 今日から3年生だね♪」


「うん! 同じクラスだといいね」


その後は始業式をし、教材を配られて終わった。それから1ヶ月後。


「……え、何これ……!?」


私のロッカーやげた箱には、たくさんの手紙やプレゼントが入っていたのだ。これって、たぶんラブレター……だよね?


「うわっ、雫ったらモッテモテ〜!! いいな〜」


隣にいる奏も驚いている。すると、後ろから肩を叩かれた。振り返ると、そこには1年生の男子がいた。


「あっ、あの……! 僕、星空先輩が好きなんです! つ、付き合ってください……っ!!」


えっ……告白!?ていうか1回しか話した事ないし……。


「ご、ごめんね私彼氏がいるから……。でもありがとね、君、名前は何ていうの?」


「えっと……月谷 夏です!!」


「月谷くん、これからも後輩としてよろしくね!」


「はいっ!! では、さようなら!」


そう言って月谷くんは走って教室に戻っていった。





それから3年後。私と霰は結婚し、2人の子供が産まれた。長男が空海、その妹は愛花という名前にした。


「ママー、抱っこしてー!」


そう言って私の方に走ってくる愛花。


「はいはい、……あっ、空海! ごめん、洗濯物しておいてくれないかな?」


「うん、分かったー」


私の夫、霰は大企業の社長になり、子供は国立に行けるくらいに頭がよくなっていた。空海は中3、愛花は小1だ。愛花が寝たのを確認して、本を読んでいると空海が私と霰をリビングに呼んだ。


「母さん、父さん。……俺、彼女できたんだ。あと、志望校に合格した」


え……空海に彼女……!?


「ん、そっか。……それで、彼女はどんな子なの?」


「俺の1つ年下で、とても明るくて優しい子だよ。……可愛いし」


「ふぅん。空海はその子と結婚するのか?」


「えっ……! と、父さん!?」


「まぁ、私達も空海と同じように先輩と後輩だったもの。私はその子と結婚するの、賛成だからね。……さてと、そろそろ寝よっか、2人とも」


そして私と霰はベッドに入った。すると、霰が優しく抱きしめてきた。


「……これからもずっと一緒にいような、雫」


「うん、もちろん。……おやすみ、霰」




      -end-