「お2人さん、お熱いですね〜♪」
「俺達の事、忘れてないよな?」
後ろから声がして振り返ると、そこにはニヤついている奏と相原先輩がいた。
「奏! 相原先輩も、なんでここに!?」
「久しぶり、雫ちゃん。まぁそれはともかく、結婚するんだ?」
「そうだけど。つーか銀、聞くの忘れてたけど愛嶋さんと付き合ってるのか?」
「あぁ。2人ともありがとね、協力してくれて」
「結城先輩、これからも雫をよろしくお願いします!」
奏はそう言って霰に深々と頭を下げた。
「いえいえ、こちらこそ銀をよろしくな」
「おい霰、俺の親みたいな言い方すんじゃねぇよ」
「「もう、早く帰りましょうよ……」」
そして私達4人は将来について話しながらそれぞれの家に帰った。それから数日後。私と霰は電車に乗って別荘に行った。
「……着いたぞ。ここが親父の別荘だ」
「うわぁ……でっかい……!!」
「ほら入るぞ、荷物持ってやるから」
「うん、ありがとう」
私達は大きな門を抜けて中に入った。こんな所に私達は住むんだ……!?
「――やぁ霰、待ってたぞ。久しぶりだな」
階段を下って私達の前に来たのは……。
「親父! 今までどこに……」
「まぁそれはおいといて、……そちらのお嬢さんが雫ちゃん?」
「え、あっ、はい! 2年4組の星空雫です!!」
「そうかそうか、君が霰の彼女か〜……。じゃあ霰と雫ちゃん。またいつか会おう」
霰のお父さんはそう言って別荘を出ていった。……霰のお父さんは何をしにここに来たんだろう。
「……よし、荷物も片付いたし夕飯にするか」
そう言って霰はキッチンへと歩いていった。……霰、料理できるんだ。私は自分の荷物を片づけていた。すると、鞄の中から一通の手紙が出てきた。……誰からだろう?私は封筒に名前が書かれていなかったため、封を開けた。中からは、手紙が一枚出てきた。
「……お母さん達から?」
【霰くんと仲良くね∂∇≦】と、手紙のど真ん中に大きく書かれていた。……そんな事、言われなくてもわかってるよ……。荷物整理が終わり、空き部屋で本を読んでいるとドアがガチャッと開いた。
「……雫ー、起きてるか? 夕飯出来たぞ」
「うん!」
私は霰とリビングに行き、夕飯を食べた。……霰って、やっぱり凄いなぁ。本当に何でもできて性格よくてイケメンで。なんで私はこんなに素敵な人がいるのに『男になんて興味ない』なんて言ってたんだろう。私達は夕飯後、お風呂に入って一緒に眠った。