「悪い、待った?」 久しぶりに来る思い出の丘。 先に来ていたイチに声をかける。 「待ってない」 「そっか。ならいいや」 相変わらず、ぶっきらぼうで不器用な喋り方。 それに安心して、小さな笑いが漏れた。 やっと自分の気持ちも落ち着いて整理できて、この前イチに電話した。 なんだか忙しそうで、声は疲れてた。 あんなふうに別れてからしばらく時間が経って、電話なんて気まずいって思ったけど、案外普通だった。 今日こうして会えていることが、なんだか嬉しい。