空を見上げて、月を描いて


 事故に遭って長いこと眠り続けて記憶を失って。


 思えばかなりの時間が経っていた。


 カレンダーを見ながら思う。


 今日は俺が事故に遭った日。


 長い春休みに入り、大学2年目の生活もあと数週間したら終わって、新しい季節になる。


 バカみたいに詰め込んでた授業も終わって、バイトのシフト表も新しくなって、時間に余裕ができた。


 あの日ユキに背中を押されて、そこから違う視点で物事を見られるようになって、あの日のイチの顔を思い出しながらいろんなことを考えた。


 机の中に押し込んだ美月の携帯電話とネックレス。


 それを引っ張り出して、渡された意味だとか美月が消えた理由とか、考えた。


 携帯充電して中身を確認して。


 やっぱりそこには見覚えのある俺とのやり取りがあって。


 会えなくなってからだいぶ時間も経って。


 ネックレスだと思ってた三日月のそれに、細工が施されていたと知ったのはすぐのこと。