『あの時、君は……』

紙袋を開ける。
美味しそうなクッキーの匂いが充満した。

なんだ、いい感じじゃん?

「いただきまーす!」

ぱくっ
と、口にふくんだ。

あー……
ん……
び、微妙……?

クッキー=サクッとしてる

と言う定義を持っていた俺にとっては、結構微妙な感触。
湿気のせいで、通常サクッとしている部分が雑巾みたいだった。

味は……少し甘さに欠けるが、まだ目が瞑れる。

瞳は、俺の感想を期待しているようだ。
ジッと俺を見つめるそれは、まるで猫が獲物を狙うようで、可愛らしい。