『あの時、君は……』



俺は瞳と目を合わせずに、改札口に引っ掛かる鞄の紐を外してやった。

「……ありがとう」

俺は小さく笑ってやる。

『最後の別れに涙は嫌だろ?』

自分にそれを言い聞かせた。

今の俺、本当に泣きそうな顔をしている。

そんな気がした。