『あの時、君は……』





「いってぇ……! 瞳今のわざとだろっ!」

俺は自転車を立て直しつつ、言う。
しかし、横転させた本人瞳は、つんと怒っている。

「私、これでも去年より3キロも痩せたんだから! 重いのはこの荷物でしょ!?」

瞳が鞄をバンバン叩きながら言う。

「3キロだけだろ……」
「ん!?」

……やっぱり、女に体重ネタは良くないらしい、としみじみ痛感した……

「全く……ほら、彰、大丈夫? 時間ヤバめになってきたからさ、そろそろ遊ばないで、行こう?」

どっちが遊ばせたんだ、と突っ込みたくなったが、あまり言うと売り言葉に買い言葉で、また仲が悪くなるだろうから、俺は言わなかった。