約束の小指、誓いの薬指。


「うん、わかる。わかるよ。

どんなに頑張っても、その途中じゃ自分が成長してることにも、努力が報われてることにも気づけないからね。
ゴールがないのにがむしゃらにもがくっていうのは、不安定で落ち着かないもんな。


でもな、凛音。僕は思うんだよ。
努力に限界なんて無いから、いくらでも自分を伸ばすことができるって。


自分の実力を披露する場に立ってみないと、自分の成長はわからないものだよ。
凛音だって最終面接で気づくんじゃないかな、前の自分よりもちゃんと成長できてることに。

大丈夫。僕は凛音の頑張りを知ってる。きっと無駄にはならないよ」


驚くほどに説得力がある。
たくさんの苦難を乗り越えてきたからこそ、それによって成長を感じられたからこその言葉なのだろう。