約束の小指、誓いの薬指。

「お、大胆だね。
どうしたの?」


ふざけたように、でも思いやりを持ってくれているのが愁くん。


その優しさに甘えて私は胸に顔を埋めた。


「…今週末に、最終面接があるの。
ずっと夢見てた会社で何としてでも受かりたいんだけど、前回の面接では結構キツイことも言われて、…怖い。

……もう、どれだけ頑張れば良いのかわからない」


伝わってくるぬくもりによる安心から出てくる私の弱い部分。
愁くんからしたら、何をそんなことで悩んでるんだって思うくらい小さなことかもしれない。でも言わずにはいられなかった。