約束の小指、誓いの薬指。



「………え…」


「僕とニャン太、どっちが好き?」


焦る私に追い討ちをかける質問。
だけど、そんな澄んだ瞳で捉えられたら冗談で嘘も言えなくなる。


「………好きの度合いで愁くんを越えるものなんてないよ」


なんでだろう。
自分の感情の波が激しくなる。さっきまで勇気に溢れていたのに、どんどん心がもろくなる。
愁くんは、私を強くもするし弱くもする。
弱音を、吐きたくなってしまう。


「よかった」


そう囁いて身体を起こそうとする愁くんに、私はぎゅっとしがみついた。
まだ離れたくなかった。