約束の小指、誓いの薬指。

「よかったら、アニメのことは僕が教えますよ。
これでも声優なんで」


苦し紛れに出した案だったが、これは久我凛音との繋がりを切らないための良い糸となる!
追い込まれてからの僕の力の発揮に拍手を送りたい。


「え…、しかしそこまでしてもらう訳には」


「僕がアニメについて教える代わりに、久我さんは僕に英語を教えてくれませんか?
今度のアニメで英語を話すシーンがあるんです」


全て本当のことだった。
数週間後に収録があるアニメで、長くはないものの英語の台詞がある。


全てが僕の味方をしてくれている気がした。


「…承知しました。お願いします」


悩んだ後の控えめな承諾。
その反応に頷いた僕だが、本当は嬉しくて堪らなかった。