約束の小指、誓いの薬指。

「もしかして、また秋葉原に行こうなんて考えてます?」


「…はい。
今度は事前調査を行ってから行くつもりです」


…やっぱり。
正直行ってあまり1人では行かせたくない。今日みたいなことになりかねないし、誰も助けてくれない可能性の方が当然高いんだから。


「僕が久我さんにこんなこと言う権利なんてないのですが、秋葉原はおすすめできません。
よからぬことを考える男のじっとりとした目に晒されることになりますよ」


一体なんて脅しをかけているんだ…。もっと上手く伝える方法はあるだろうに。


「彼らは基本的に3次元には興味がないと教わりましたが」


「だ、誰に教わったんですか、そんなこと!そういう人もそうでない人もいるんですよ。
たくさんいたメイドは3次元でしょう?彼らは3次元だって範囲内なんです」


「…たしかに、最もです」


あー、駄目だ駄目だ。
こんなんじゃ秋葉原に行きたいという彼女の欲求を抑えられない。