約束の小指、誓いの薬指。

さてと、もうあとは飛行機が飛ぶのを待つばかり。
さっさと荷物も預けてしまおう。
そう思って歩き出した矢先、空いた手をぐっと誰かに引かれてそのまま端まで連れて行かれた。


私はこの手を知っている。
その人だと確信できるのに、どうしてその人がここにいるのかがひどく疑問に思う。


「間に合った…。

凛音、本気かよ?
本気で、僕に何も言わないでニューヨークに行くつもりだった?
手紙だけ残して」


久しぶりに見る愁くんがそこにいた。
ここまで走って来たみたいで、相当に疲れているようだけど、私の手を掴むその手はぎゅっと握られたままだ。