約束の小指、誓いの薬指。

「浮気なんかしてない!

…志水には悪いけど、やっぱり僕には凛音が必要だ…」


けっ、笑わせるなよ。
今更何を言っても、言い訳にしか聞こえねーよ。


「志水…、もう僕は志水と今までのように接することはできない。
仕事だって言い聞かせても難しくなると思う。

僕が1番に考えるべきは…。
1番に考えたいのは、やっぱり凛音なんだよ」


そう言われて涙を流す志水。
その涙は悲しくて流れているのか、それとも悔しくてなのか。
俺には後者に見えた。


「…阿部さん、その写真をどうするんですか?」


…少しは冷静さを取り戻したんだろうか。