「…あ……や」



勝手に口が動いていた。小池さ……ううん。亜弥の温かいぬくもりに触れて、包み込むような柔らかな優しさに、もう一度…もう一度だけ信じてみようと思った



「なぁに、美優?」



ふんわり微笑む彼女にまた涙が溢れだす。

こんな気持ちいつ以来だろう…心が体が満たされるようななんとも言えない安堵感

最初から決まっていたのかもしれない

亜弥との出会いはきっと奇跡だけど、それは運命だったんじゃないかって…

どうしてそう思うのか分からないけど、あたしにとって亜弥はこれから先大事な存在になると思うから

他の誰かがあたしを裏切ったとしても亜弥ならずっとそばにいてくれると思うから



だってこんなにも嬉しさを感じたのは初めてだった

あたしという一人の人間に気づいてくれたのは二人目



籠の中に閉じ籠っていたあたしの鍵を開けてくれたのは綺麗で強い眼差しを持ったひとりの女の子だった